(前回の話のまま続き)
古河: まぁこんな感じなので、毎シーズンのテーマも始まりがわからないんです。どこから始まって出てきたものなのかが… 特に今回だけのことじゃなくて、今まで見たり感じたりしてきたことって言うと、いつもと同じになってしまうし。
古河: まぁこんな感じなので、毎シーズンのテーマも始まりがわからないんです。どこから始まって出てきたものなのかが… 特に今回だけのことじゃなくて、今まで見たり感じたりしてきたことって言うと、いつもと同じになってしまうし。
──大きなテーマとしてはずっと同じものがあるってことですね。他のブランドの服はあまり見られないんですか?
古河: 見ますよ。部分的な所とか参考にしたりするし、流行色といわれてるものも取り入れますし、そういうのも好きですしね。
──100%古河暁の感覚の服だと、女の子困るかもしれませんもんね。1着の中に古河エッセンスはどれくらい入れるんですか?6割くらいですか?
古河: いやー、そんなに入ってないと思いますよ。特に最近は削っていくようにしてます。以前は足していく方にこだわっていたけど、今は足してから削っていくようなことをしてます。
──それは単純にデコラティブなもののことですか?
古河: も、以前はやってましたね。すごいブワーって(笑)
──削っていくようになったのは何故ですか?
古河: やっぱり人が着るってことを前より考えるようになったからですかね。人に言われたりもしたし。それより元のデザインを忠実に使ったり、分散させたりしながらバランスをとるように心がげています。いろんな人と関わるようになってから単体じゃなくて全部で一つの服って見るようにしています。
──それは一着の服っていうよりは、一つのシーズンでのバランスのことですか?
古河: そうですね。まとまるようにというか。で、少し変わったものも毎シーズンいくつか作って… そうじゃないと面白くないですしね。
──意外とそれが1番人気だったり。
古河: 好きな人はおられますね。 それこそ、コムデギャルソンとかがやっておられることとか、すごく面白いと思うけど、僕はもう少しナチュラルなものに興味があります。
──ナチュラルじゃないんですか?コムデギャルソンは、古河さんの中では…
古河: 明確な世界観がありますからねぇ…
──ナチュラルっていうのは服の形態じゃなくて、そういうコンセプトがガチガチではないってことですか?作る人の頭の中がナチュラルとかシンプルってことなのかな。
古河: そうですね。多分(僕の服も)ナチュラルじゃないんですよ。やっぱり値段もするし、服が好きじゃないと買わないような少し変わったものだし… でも最近の流行りでもありますね、ナチュラルは。
──ナチュラルとシンプルっていうのはどんな風に違うと思いますか?
古河: 感覚的には同じように思ってますけど、どうなんだろう、難しいな。
──ナチュラルメイクって聞きますけど、シンプルメイクってあんまり聞きませんよね。ナチュラルって自然ってことですよね。シンプルって簡素っていうかモノが少ない感じがしますね。自然に見えるようにバッチリメイクするのがナチュラルメイクなら、シンプルメイクは…
古河: シンプルメイクは…
──眉毛バッチリであとは一切ノータッチとか。
古河:(笑)
──で、古河さんの服はシンプル、あれ?どっちでしたっけ、ナチュラル?
古河: シンプルではないと思います。
──あ、シンプルではない。 まぁ、シンプルとかナチュラルだけで分けられるものでもないでしょうけれど。古河さんのお客さんは年齢層も広いですものね。年齢ではなく何か興味を持たれる要素があるんでしょうね。
古河: 僕も毎回不思議です。服作って、わざわざ見に来てもらって、お金を払って買ってくださることが、毎回信じられないし、恥ずかしくなってしまいます。
──まぁ。恥ずかしいんですか?
古河: 恥ずかしいです。自分の中を見られることだと思うので… もちろんいい意味で、ですけど。
──嬉し恥ずかしくて、くすぐったい。
古河: あぁ、それです。くすぐったい。
──いやーん。