──いつも何か新しいこと今までやったことのないことを服に取り入れたい、とおっしゃっていましたが、新しいテクニックを自分のものにするのに時間がかかるのではありませんか?
古河: 職人技のようなものはやっぱり任せないとだめですね。次は刺繍を使いたいと思っていて、ミシンも見に行ったんですけどね。でも結構高価なものだし、職人さんの技を見なあかんなーということで任せることにしました。
──では、古河さんの手の部分で新しく取り入れようとしていることはありますか?
古河: やっぱりパターンかな。今回(ミミヤマミシンでの8月の展示会)では結構元型から変えたんですけど。
──元型っていうのは型紙のことですか?
古河: 型紙なんですけど型紙になる前の元型っていちばんシンプルなのがあるんです。それを変えたのが今回初めてやったことかな。今回はより立体的にしようと思ってたから首とか肩の辺りは今までとはかなり変わってると思います。後はカッティングかな。今まで手を加えなかった所を出してみたり、チュールも初めて使いました。
──そうなんですね。ずっと残していくスタイルのものは何かあるんですか?「古河パンツ」みたいなものは…
古河: (笑)そのブランドの象徴みたいなものですよね?ドレープだったんですけどね。タックとかプリーツとか。そのイメージは強いんじゃないかな。
── 〔4〕「シンプルバランスはナチュラルに」でおっしゃってたようにそれが最近減らしてはるんですよね。
古河: はい。今回初めてプリーツはなかったんじゃないかな。カチッとさせたいイメージだったんです。立体的でシャンとさせたかった。カジュアルになってきたように感じてたので締めていこうと思って。で、次は刺繍を使いたいです。あとは普段あまり目につかないようなものをメインに使ってみたいな、とか。ファスナーとか具体的なパーツを表に出してみたり…
──開けていいんですか、そのファスナーは…
古河: (笑)ファスナーを綺麗に使ってみたいです。柔らかく。「あ、ファスナー綺麗…」みたいな感じで作りたいです。
──カタチとして「スカート」とか「シャツ」ってざっくり私は思ってしまってましたけど、部分部分で見ると首とか肩とかウエストとかパーツでできてるんですもんね。そういう小さい部分を変えることでいろいろ冒険もできるってことなんですね。
古河: できると思います。でもそのためには毎日意識しないと出て来ないと思います。ぼくは多分、服のこと考えてる時間が他の人よりずっと多いのと単純に服が好きだっていうのが仕事つながっているんだと思ってます。
──あと、ちょっとワクワクが好き。
古河: それは大事ですね。
──ここちょっとツマんだら、こっちキューってなって、ワー!っていう。チョー感覚的…(笑)
古河: (笑)
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〔6〕「ゴーゴー アキラフルカワ!」に続きます。