──最初にE.T.のことをうかがったのは、淳さんのアンテナは一体どこら辺にはりめぐらされているのかを聞いてみたかったからでして…
淳: アンテナですか?
──はい。淳さんはどんなものを面白いとかかわいいとかカッコいいと思うのかな、と。とても幅広い気がするので。
淳: 好きなものの基準は…かわいいものももちろん好きですけど、それだけではやっぱりなくて、ビックリするようなもの、音楽は特にそうかも。何かわからないものは気になるし魅力を感じます。パッとみて「何やろ、これ…」ってものには反応してることが多いかな。
──音楽の場合、それはジャンルとかではなくて…
淳: そうそう。だからレコード屋さん行って探すときが大変。コレは一体どういうジャンルで探せばいいんだろう…ってのが多いです。どうなったらこんな音楽にたどりつくんだろうっていうのに惹かれますね。
──それはライブとかで出会うんですか?
淳: 今は希洋志くん(註: 旦那さんの和泉希洋志氏)がかけてるのとか聴いてて「これ何!?」ていうのとか。以前はもっとマメにレコード屋さん行ったりして試聴してましたけどね。
──音楽はずっとお好きなんですか?小さいときはどんなの聴いておられたんでしょうか?
淳: 子供の頃イギリスに住んでいて、TVで “Top of the pops” っていうベストテンみたいな番組をずっと見てて、1位になってる曲のドーナツ盤をいつも買いに行ったりはしてました。その頃に今でゆうプロモーションビデオみたいな映像も見てて、なんか見たことない化粧した男の人が歌ったり踊ったりとか、シド・ヴィシャスとかも「なーにーこーれー!」ってうわぁぁあってなって、何かわからんけど引き寄せられるっていうか…なので音楽はその時にいろんなジャンルとかを知ったのかなぁ。
──ヘンテコ具合にもいろいろあると思いますが、引き寄せられるタイプがあるんでしょうか。
初めて見てうわぁぁあってなっても引き寄せられないタイプもあるんですか?ヴィジュアルかな。
淳: あぁ、でもそうかも知れない。
──見向きもしなかった初めて見たタイプの人とかモノとかあるんですか?
淳: あぁ、そういのは多分ぜんっぜん覚えてないわ。忘れてる。
──(笑)そらそうですね、そんなんいちいち覚えてたらうっとうしいてしゃぁないですよね…
淳: (笑)生きていかれへん。
──バンドもしてはったんですよね。
淳: はい。してました。
──ボーカルですよね。どんな格好で歌ってはったんですか?
淳: その時は全然普通でキテレツな感じはないです。普段の延長ってくらいで。でもそれではあんまりかなってことでライブの時にたくさんお花を客席に投げたりとかしましたね。
──それは淳さんのアイディアなんですか?
淳: それもなんかのライブ映像で見たんです。お花をバンバン投げてハッピーな雰囲気があったから素敵だなーと思って。
──なんの花だったんですか?
淳: 黄色い水仙!でした。
──素敵ですね。盛り上がりましたか?
淳: 最初は緊張してあんまり覚えてないんですけどみんなが受けとってくれて、そのままずっと持ったまま見ててくれてたのがやっぱりハッピーな感じになってて嬉しかったです。
──じゃぁ、いろいろ面白い人たちのライブとかみて、あんなんやってみたいとかアイディアを練ってたんですか?
淳: やっぱり常に表現することには興味があったと思うし、そういう視点でみてたと思うけど私は自分からみんなに声かけてバンドやろう!って人を集めるタイプじゃないと思うんです。でもなんとなくやってみたいなーとは思ってて…で、たまたま同じ学校の人たちにやってみない?って言われて「やってみたい!」ってなったんです。しばらく続けてメンバーが枝分かれしていって、私は2人でユニットでするようになって、打ち込みみたいな音に私の歌とかのせたりして…。そんな感じで3つくらいやったかな。
──人前で歌うのってどんな気分なんだろうなぁ…
淳: 出てしまったらいつも大丈夫だったんですけど、始める前はいつも胃とかお腹とか痛くなってキューって緊張してたから、あんまり好きじゃなかったのかもしれない。みんなで音とか一緒に作っていく過程の方が好きなのかな。
──オリジナルで作ってはったんですね。
淳: そうですね、カバーもあったけど、後半はトラックが作ってあって私が歌詞書いたりしてました。
──歌詞を書いて歌ったりするの憧れます。
淳: (笑)一緒にバンドします?
──取り合いじゃないですか、ボーカル。
(そだ)「私が歌詞書く!」 (淳)「いやー、ここは私が書く」」
(そだ)「私が歌う!」(淳)「私の方がいい!」
(そだ)「私がお花投げる!」(淳)「私が買ってきたから私が投げる!」
ってなりますよ。きっと…
淳: うふふふふ
──いやぁ、素敵です。
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〔3〕「淳さん グリーンになる」に続きます