2016-08-18

船川 翔司さん〔2〕「藁の家が飛んでいって初の清々しい体験。からの…」

──美術に興味を持ったのはいつ頃なんですか?

船川:   もともと絵を描くのが好きで高校生の時美術部に入ったんですが、先生が面白くて仲良くなっていろんなことを教えてもらっているうちに、この体でやっていい事がたくさんあるんだなと思って。それで高校生の時も石を集めてたんですけど、その石を壁が埋まるまでずっと投げてそれをビデオで撮ったりしてました。あ、でも今思い出したんですけど、一番最初にした清々しい経験を…。
僕、九州の生まれで熊本に住んでた時、家の裏に藁がたくさん積んであって、記憶が曖昧なんですがずっと地平線の方まで藁ばっかりっていうような広大な所で、その藁でテレビとかテーブル作って友達と秘密基地を作ってたんです。よく台風が来るんですけど、そうなると半ノラの猫とか家の中に入れて窓とか板打ち付けて一日中台風過ぎるのを待つんです。で、過ぎて外出ると藁の基地が何にも無くなってるんですよね。それもすごく清々しいなーって思ってたっていうのを今思い出しました。幼稚園くらいの時かな。

──わー、無くなってる!ってガッカリするよりはスッキリ。

船川:   そうですね、おぉ、なんかすごいことになってる!みたいな。

──自分で作って自分で壊すんじゃなくて、何か別の出来事がやってきて無くなっていったというような。

船川:   そうそう、人を超えた何かすごいデカい力があるなって感じがあったのかもしれないです。

──たまたまそこにあっただけで、わざわざ壊れやすいもので作ったというのでもないもんね。

船川:   そうですね。壊したいわけでもないので。

──それを清々しいっていうのが、なかなか…おじいちゃんやね。

船川:   (笑)そうかもしんない。そのエピソードから考えたわけじゃないけど、何かする時に考えてることで、どこから始まったかよくわからないある出来事があって、そこに没頭していく感じが好きなんだと思う。一つの物語みたいに地続きに時間が流れていって結果こうなったからこれが大事なんだよってことより、バンっと何かが立ち上がってきてそれが大事って思う感覚の方が好きなんだと思います。

──じゃぁ、この間のライブでやってたのは、そういうことを全部自分で再現しているっていう感じもあるのかな。最初の状況もある程度自分で作って…

船川:   うんうん

──で、飽きて(笑)。そういう状況…環境…が自分の中でコンパクトに起こっていると。

船川:   そうなんだと思います。それがうまくいくと嬉しくて清々しくなるんだろうな。

──ミミヤマでのライブの時も5組くらい出演されてて、その中に船川さんがピョンといるとみんな、ポカーン  みたいな感じで。

船川:   はははは

──「へぇー…え?」ってなってましたね。で、何かすごく"わからない"をやってる人だなぁと思って見てました。私の中で"わからないをやっているよく知らない人"なのでぜひインタビューしたいと思った次第です。

船川:   すごいですね、それ。

──船川さんは自分の知らないとかわからない事に寛容ですか?

船川:   あ、うん、そうだと思います。

──今まで話してくださったエピソードから言うと、「なんでこうなってしまったんだー」というか原因について考えることはありますか?

船川:   もちろんあります。けど、あーどうかなぁ…あんまり考えないかな。(作品に関しては)ある程度わからなくなるような狙いも自分でつけてたりもするので、「よくわからんことになった!」って嬉しくなるかなぁ。

──その、わからなさとか偶然が起こるように、どのくらいというか何を作るんですか?

船川:   それはすごく単純なことで、象徴的なものが読み込めるような要素があれば、それは取り除いてモノだけがただありますよって状態でスタートすることです。

──象徴的というのは例えば…

船川:   (前回のライブだと)あるものを立てようとしているけど、それが別のものによって壊され続けて立ちませんってなると、なんとなくそういう象徴的なものを思い浮かべるかも知れないけど、ただ回ってるものと丸い筒とか薄い板がある状態をそのまま伝えるために、なるたけそういうことを読み込めないようにしようとします。

──モノがそれぞれ何かを思い起こさせるのではなくて、モーターはモーターで仕事してる様子を淡々と見せるというような。モーターの先に何か付けてありましたよね。

船川:   家で試してたんですけど、モーターの先にこれくらいの重さのものを付けたらヘンな動きするなってわかって。で、適当な重さのものを付けてたんです。

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〔3〕「間違えてわからない いいおじいちゃん 」に続きます。


2016-08-10

船川 翔司さん〔1〕「石とランドセルと橋で清々しい」

船川翔司  
1987年鹿児島種子島生まれ、大阪在住。展示やパフォーマンスを中心に活動中。淀川河岸の故赤川仮橋を弔う『場所』や『インドで間違った相撲を広める』など。2016年には元製菓工場の山本製菓を巡る『Poetry Humming』開催。

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イソタビュー3回目は私のあまりよく知らない人にしてみようと思っていました。「あまりよく知らない人」などどれだけほどいるでしょうか…。でも、そう思ったとき船川さんを思い出して偶然にもミミヤマにふらっと遊びに来てくれました。あまりよく知らない人にイソタビュー初級編です。写真は全て船川さん提供です。

text_Tomoko Soda


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──船川さんとお会いしたのは、ミミヤマミシンで2014年と15年にナランチャさんゴミ箱ベーシストの企画したライブに出演されていたのが最初でした。最初のライブでは笙を演奏しながらポップコーンを作るというのでしたね。1で、去年はえーっと何か回ってましたね。

船川:   外で救急車のサイレンを鳴らしながら、扇風機のモーターの先に付けた縄跳びがクルクル回って、近くに置いた金物の筒に当たって、その筒を立てようとするんだけどまた倒れる、っていうのを演ったと思います。

──どちらのライブも何組かあって、みなさん楽器使って、歌って、終わって拍手ーってなってたんです。私はどの出演者の人たちも初めてで、何も考えず見てたら他の人たちは1曲目、2曲目と数えられるんだけど、船川さんはずっとその運動を続けてて(笑
まぁ"時間"やし音楽やな…と思ってたんですけど、あれは始まりとか終わりとか決めてはったんですか?それとも時間決めてその間ずっとやる、ていうような形ですか?

船川:   1回目の笙とポップコーンの時は曲っぽいことを演ったと思います。2回目は出番が最初っていうのを聞いてから思いついたことをして、それが飽きたら止めようというのがありました。パフォーマンスする時はいつもイタズラっぽい事を考えるんですが、それに効果がありそうな事を1曲っていうまとまりの中でやるとなると、その時間内で集中力持たせなきゃいけないって考え方になるので、それよりかはいつ始まっていつ終わるかわからないようなことにしてサッとやってはける方がいいかなと思ったので…10秒だと短いけど、ある一定の集中力が切れるまでという感じで自分のタイミングを優先してやりました。

──そのタイミング、例えば飽きたとか、実際やってみたら思ったほど面白くなかったというような感覚的なものって普段から何か意識してやっていることはありますか?

船川:   パフォーマンスしてる時はできるだけ想像つかないことが起きたらいいなと思うので、その場で発明したりする瞬間があってその工夫ができたっ!て時がピークだったりするんですけどそれが過ぎると同じことの延長になるからもう止めようかな、と。

──それはこの間のライブに関わらず、パフォーマンスや美術の何かであってもそうですか?

船川:   そうですね、あまり区別してないです。最初にいろいろモノの構造をこうしたらまかり通るからこのままちゃんと作れば作品になるって考えるんですけど、途中で飽きてきて横道に逸れて違う発明ができた瞬間が嬉しいので…。

──飽きてきたら、「よっしゃーきたー、飽きてきたー」って感じかな。

船川:   (笑そうですね。

──小さい時はどんな遊びをしてたんですか?

船川:   すごく記憶してるのは小学4年か5年の頃、図工の時間に河原で石を3つ拾って来てそれを描くという授業があって、家のすぐ近くの河原に行って気に入った3つを見つけて描いてその授業は終わったんですけど、僕はまだ面白くて毎日石を拾ってきて教室の後ろの棚に置いてランキングを付けたりして…

──ランキングって?好みの石のってこと?

船川:   そうです。最初の3つにもランキングがあったんですけど、毎日拾ってきて10個20個30個ってなって。5年生の時に転校するんですけどその時に1000個以上あって。で、全部持って帰ろうとランドセルに詰めてブルブル震えながら帰ってて、大きい橋があるところで「もうダメだ」と休もうと思ったらなんかの弾みでランドセルの底が抜けて、石が全部バラバラバラーって落ちていって橋の上にある程度は残ってたんですけどめちゃめちゃ気に入ってた石は全部川の中に落ちていって「うわぁぁぁぁ‼︎」ってなったんですけど、すごく清々しくなって。全部失ったぞーって。それが気持ちよかったっていうのが、昔の遊びの記憶です。

──面白いできごとですねぇ…。それは飽きずにかなり長い期間の遊びだったんですね。

船川:   飽きなかったですね。眺めて、順位付けて3位までのは引き出しに入れておいて、たまに見てまた引き出し閉めてってやってました。今思い出しても何が面白かったんかよくわからないですけど(笑

──飽きなかったんですねぇ…(笑

その感じって今やっていることで似ているなと思うことはありますか?

船川:   組み立ててダメになるというか、違う出来事になっていく瞬間が清々しいと思ったのはその出来事が最初で、その感覚が好きだと思った延長線上で今やっていることに繋がってるとは思います。

──ちょっと話が戻りますけど、ランドセルの底が抜けた時、「うわぁぁあああ!」ってなって、その後すぐ清々しいと思えたんですか?

船川:   一瞬パニックになりましたけど、きっと"橋の上"っていうのが良かったんですよ。橋を渡り終えた時に「ま、いっか」ってなったんです。なんか、「後戻りせんとこ」みたいな感じで。

──ドラマですね。いろんな状況が完璧に作用したんですね。ランドセルも、石も、橋も、下を流れる川も。その石を拾った川なんですよね?

船川:   そうです、そうです。

──すごいいい話ですね。

船川:   すごく気に入ってますね、その思い出は。

──随分、達観してる小学5年生ですね。

船川:   ですよね。それを清々しいとか。

──石集めてる時点でかなりそんな感じですけどね。

船川:   あぁ、そうなのかな。でも割と周りの友達もそういう遊びをしてたと思います。

──その石とこの石、交換してくれよ。とか?

船川:   石集めてるのは僕だけだったけど場所探して遊ぶところ作ったりとか、してましたね。

 
1:「 笙は構造上、呼気によって内部が結露しやすくそのまま演奏し続けると、簧した/リードに水滴が付いて音高が狂い、やがて音そのものが出なくなる。そのため火鉢やコンロなどで演奏前や間に楽器を暖めることが必要である。」Wikipediaより抜粋
船川さんは笙を暖めながら、同じコンロの上にポップコーンも置いて演奏中に弾け出す、というのをやっていたのでした。

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〔2〕「藁の家が飛んでいって初の清々しい体験。からの…」 に続きます。


2016-04-12

和泉淳さん 〔4〕「そしてめぐりあいー」

中津に来られたのはいつでしたっけ。

淳:  えーっと2008年だから…8年前かな。

──どうですか?中津は

淳:  もぅ…あれですね、住み心地良いですね。面白い人いっぱいいるし(笑)楽しいです。

──ソーマすることになって中津に来られたんですか?

淳:  いえ、違います。先に住む所として来ました。でも今のソーマの場所を昔に見に来たことあるんですよ。その時は家とは別でアトリエを探してて、そこがいいかなと思ったんですけど、別の方が一歩違いで借りられて…。他にも中津で何軒かみたけどタイミングが合わなかったりで。それでしばらくして結婚して引っ越すってなった時にたまたまですけど、中津に越して来たんです。で今、ソーマで借りてる所を「ここ見にきたよなー」みたいに話してたら、ある日空いてますって貼り紙がしてあって「あー!」ってなって見せてもらって借りました。

──そうなんですね、その時はお店として借りられたんですか?

淳:  そうです。今の家は住居スペースはすごく狭いけど、アトリエスペースとして使える場所があるので…住んでる間にそういうタイミングもまた巡ってきて。

──場所が見つかるのって不思議な感じですよね。ほんと縁というか…それが今や人気のソーマですね。

淳:  うふふふ。ありがたいです。

──では最後に。ソーマの…えーとソーマの何聞こかな。イソタビューの締めに…(質問を考え中)    あ!タモリさん。これにしましょう。        淳さんはいつかタモリさんにソーマに来てほしいんですよね。ここでタモリさんに向けてメッセージを!これ読んで来てくれるかもしれませんよー。さぁ、思いの丈をどうぞ!

淳:  (笑)えー。でも多分タモリさんはスパイスカレー嫌いなんですよ…

──わぁぁぁ(笑)

淳:  でもソーマはもちろんカレーもずっとやりますけど2階はギャラリーになってたり、あと今年からは音楽レーベルも始めたので、カレーは今皆さんたくさん来てくださるようにはなったんですけど、これからはギャラリーとか音楽でも同じように頑張っていって、皆さんに愛されるようなものを作っていきたいです。

──はい。きっとそうなると思います。ありがとうございました!

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(和泉淳さん インタビュー   了)

和泉淳さん〔3〕「淳さん グリーンになる」

──今はどんなものがアンテナにかかってますか?

淳:  ここ最近はやっぱり植物おもしろいなーと思って興味あります。

──植物はどんなところが面白いですか?

淳:  これまではあんまり植物育てたりは特にしてなかったんですが、中津に引っ越してきてから育てるようになって、年月とともに放ったらかしててもワサワサ育っていくのもあるし、いろんな加減とか、同じ種類のものでもそれぞれ個性があってそういうのも面白いです。あと、もう死んでると思ってたのもちゃんと春を感じて暖かくなったら復活してるのとかもあって、そういうのを見てるとすごいなぁーと思います。

──じゃあ中津来られてからずっと育ててずいぶん大きくなったものもあるんですか?

淳:  あります。ぶどうの木があって、全然放ったらかしだったんですけど一昨年初めて実がなったんです。植木鉢なんで、もうそろそろ植え替えないと、と思ってたんだけど気がついたら小さいんだけど実がなってて、びっくりしてすごく感動しました!花が咲いてたはずなんだけど全然気が付かなかった。いつもあんまり見てないんですけど(笑)

──ゆったり育ててはる感じなんですかね。虫がついたら嫌とかでこう必死になって…とかではなくて。

淳:  虫はついたら嫌です。

──あ、はい。

淳:   特にカレーリーフは大切に育ててるので、虫は大変です。ついたら取るし、木酢を撒いたりします。

──木酢酸ですか。あれは虫除けになるんですか?

淳:  そうそう。ついたら歯ブラシでこすって取ったり、そういう手間はかけてます。

──そうなんですね。ミミヤマミシンの前にもお向かいのおばさんがお花をいっぱい育ててくれてますけど、植木鉢は殺虫剤の粉で真っ白になっています。

淳:  (笑)カレーリーフは食べるものなので…ね。

──そうですね。その、向かいのおばさんもそうですけど植物が育つ人ってあるんでしょうね。

淳:  グリーンフィンガーですね。

──そんな風によぶんですね。何か共通してるものがあるのかなぁ。でも育てるようになったのは最近なんですよね?

淳:  小さい時から植物は好きでお花屋さんになりたいと思ってました。母も好きで実家にいた時は庭は母がほとんどやっていたので…。やっぱり2人はいらないですよね。自分の庭を作るのは1人でやった方がいいかな。

──あぁ、さっきのボーカルと同じですね。

淳:  (笑)ツインボーカルはありますけどね。そうそう。小さい時から庭は母の仕事でしたね。

──ところで植物にも相性があるって前に話してましたよね。

淳:  ありますね、そうそう。人間と一緒みたい。

──あー。一緒みたい…

淳:  何回もチャレンジするけどやっぱり枯れてしまうタイプが必ずありますね。もともと育てるのが難しいものの場合もあるけど、わりと簡単といわれているものでも枯らしてしまうこともあります。

──ソーマにはなんだか変わった植物多いですよね。ヘンテコな形のとか…

淳:  やっぱりそういうのが好きなのかもしれない(笑)  園芸屋さん行っても「何コレ!?」って思ったのはどうしても連れて帰りたくなりますね。

──話しかけたりしますか?

淳:  それはまだ…(笑)まだ…まだまだですね。

──ソーマのコウモリランは立派ですよね。兄弟が増えていってるんですよね。

淳:  そうそう。毎年株分けしてどんどん増えていってます。でも胞子で増やしていくやり方もあるみたい。胞子葉っていう葉っぱが1枚できるらしくて、それはまだ見たことがないんだけど裏が黒くなっててどうやらそれを採って付けてやると増えていくらしいです。胞子葉は見る人が見るとわかるらしくて、できたら胞子でも増やしてみたいです。

──魔法みたいに一気に増えそうです。

淳:  ジャングルみたいにしたいわ(笑)

──カレー食べに行くのも命がけですね。でもソーマのコウモリランにも胞子葉があるかもしれないんですよね。

淳:  うん。まだまだ謎なんです。楽しみ。

──グリーンフィンガーの持ち主はあたたかい目で見守ることができる人なんですかねー。

淳:  付かず離れずでね。可愛がりすぎてもだめだし、水もあげ過ぎるとダメだしなるべくスパルタで…

──カラッカラになるまでじーっと見ながら「まだ水飲んだらだめ」っていって一滴ポトっ。

淳:  (笑)

──でも怒られるのが好きな植物もいるかもしれませんね。

淳:  いるかも。マゾ的なのが(笑)

──たたいて育てるような(笑)

淳:  あ、でも確かにそういう人いる!

──え、人ですか?

淳:  あ、植物だけど…。ぜんっぜん水あげてないのにギュイーンって急に成長するのとかいるよ。だから植物の出身地は調べるようにしてます。気候を知ってると性格つかみやすいからね。

──ジャングルにいるやつには獣の鳴き真似とかしながら、ぬるーい水をかけてやったりして。ソーマにいる植物が熱帯雨林のジャングルにもいると思うとちょっと夢ふくらみますね。

淳:  ほんと、出身地の想像しながら水あげてますよ(笑)

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2016-03-29

和泉淳さん〔1〕「E(エラい).T(つぶらな瞳). のこと」

和泉 淳
Soma/soma gallery/bitSOMA勤務
ホール業務、グリーンを育てたり、企画などしてます。絵や布で製作もしてます。

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ミミヤマミシンからほど近いところにある、Soma(ソーマ)の淳さん。たまに一緒に呑んだりして面白い話を聞いても私はいつも最後の方の記憶がありません…
今までの話の断片を辿りつつイソタビューさせてもらいました。

text_Tomoko Soda


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──淳さんはE.T.がお好きだそうですが、最初の出会いは映画ですか?

:   そうです。

──映画館で観られたんですか?

:   はい、そうです。

──おいくつくらいの時ですか?

:   中学生くらいかなぁ…

──宣伝みて行きたいと思われたんですか?

:   そうです。前売り券買ったら缶バッジがもらえて、それはずっと持ってましたね。つい最近まで持ってて、こないだ姪っ子あげましたけど(笑)

──あぁ、次の世代に…喜んではりましたか?

:   とりあえず喜んでました(笑)

──E.T.知ってるんですね。

:   知ってます。知ってます。私の家にいっぱいあるので。

──いっぱいあるんですか!ぬいぐるみとか?

:    いろいろあります。陶器もあるし、マグカップとか貯金箱とか…フワフワのも光るのもありますよー。

──E.T.グッズって今でも作られてるんですね。

:   USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に前はアトラクションがあってたくさん売ってたんですけど、今はなくてそれからは新しいのは売ってないみたいですね。

──映画を観てからグッズを集めるようになったんですか?

:   グッズを集めるようになったのはだいぶ後かな。その当時はあまり買ってもらえなかったように思います。集めるキッカケになったのは四天王寺さん(註: 毎月21・22日に大阪の四天王寺で開催される骨董市)でどうみても怪しい感じの指に挟むタイプのE.T.が売ってて「わー!E.T.やー!」ってなって3つ4つあるの全部買うってゆったらお店の人にも、一緒に行った友達にも「そんなにいらんのんちゃう?」ってゆわれて…(笑)でもそれが一番のお気に入りですね。

──E.T.以外で集めてるキャラクターとかあるんですか?

:   それはないですねぇ

──じゃあE.T.の映画を観て大好きになって…

:   大好き!何もかも!本当に未知の生物に思えたし、最初はやっぱりあんまりかわいいとは思えなかったんですけど映画を観て「こんなに不思議な奴がかわいい」と心底思えるのってすごいなぁって夢中になりましたね。

──そういう未知のものをかわいいって思ったことが新鮮だったんでしょうか。

:   あぁ、でもそうかなぁ。最初にCMで見たときは「わ、気持ち悪い!」って思ったくらいだったのに映画を観たらコロっと変わっちゃった。

──何回か映画は観られたんですか?

:   何回も同じ映画を観るのはあまり好きじゃないので、偶然出会ったら観ますね。テレビとかリバイバル上映とか…わざわざ借りたりはしないです。

──じゃあ中学生のときに観た印象が強くてその後E.T.グッズを集めだしたって感じですね?

:   大人になってから映画はもう一度観ましたけどやっぱりすき!ってなってそれからかなー。

──大人になってからもう一度出会ってグッときたわけですね。

:   そうです!出会ってやっぱりかわいい!ってなって…その頃にはいろんなアンティーク屋さんとかアメリカの古いオモチャとか売ってるお店でよく見かけましたね。

──ドラえもんみたいな感じですね?

:    …!?

──あ、ごめんなさい!今、ムッとされましたね…「ドラえもんですって!E.T.って言ってるじゃないの!」って顔でした。言い換える必要なかったです。失礼しました。

:    (笑)

──私はE.T.グッズ、街で見かけたことないです。やっぱりお好きだということでありそうなとこ探されてるんですね。

:    まぁ、出会いですね!(力強く)「あぁ、今出会ってしまった…」ってときもあります。「お財布に今これだけしかないのに」とか。(笑)

──そんなときは?

:   買える分だけでもとりあえず買います!

──持ってはるのはどんなのが多いんですか?

:   うーん、ぬいぐるみかな…フワフワしてるのとか、首が伸びるのとか、パーカー着てるのとか。

──へぇー、へぇー

:   あとはマグカップもあるし。持ち手のところがE.T.になってて、E.T.を持ち上げてこう…(カップで飲む動作をする)

──はぁー

:   でもそれはE.T.がとれてしまってて…

──あれ。

:   売ってるときからとれてたの。

──あー、とれて売ってた…

:   そう。なのでペン立てにしています。

──前向きー(笑)

:   あとはもうちっちゃーいのとかシャーペンとかキーホルダーとかストラップとか…周りのE.T.好きを知ってる人たちが買ってきてくれるんです。

──集まってくるんですね。

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和泉淳さん〔2〕「ジュンサン ミーツ ザ ミュージック」

──最初にE.T.のことをうかがったのは、淳さんのアンテナは一体どこら辺にはりめぐらされているのかを聞いてみたかったからでして…

淳:  アンテナですか?

──はい。淳さんはどんなものを面白いとかかわいいとかカッコいいと思うのかな、と。とても幅広い気がするので。

淳:  好きなものの基準は…かわいいものももちろん好きですけど、それだけではやっぱりなくて、ビックリするようなもの、音楽は特にそうかも。何かわからないものは気になるし魅力を感じます。パッとみて「何やろ、これ…」ってものには反応してることが多いかな。

──音楽の場合、それはジャンルとかではなくて…

淳:  そうそう。だからレコード屋さん行って探すときが大変。コレは一体どういうジャンルで探せばいいんだろう…ってのが多いです。どうなったらこんな音楽にたどりつくんだろうっていうのに惹かれますね。

──それはライブとかで出会うんですか?

淳:  今は希洋志くん(註: 旦那さんの和泉希洋志氏)がかけてるのとか聴いてて「これ何!?」ていうのとか。以前はもっとマメにレコード屋さん行ったりして試聴してましたけどね。

──音楽はずっとお好きなんですか?小さいときはどんなの聴いておられたんでしょうか?

淳:  子供の頃イギリスに住んでいて、TVで “Top of the pops” っていうベストテンみたいな番組をずっと見てて、1位になってる曲のドーナツ盤をいつも買いに行ったりはしてました。その頃に今でゆうプロモーションビデオみたいな映像も見てて、なんか見たことない化粧した男の人が歌ったり踊ったりとか、シド・ヴィシャスとかも「なーにーこーれー!」ってうわぁぁあってなって、何かわからんけど引き寄せられるっていうか…なので音楽はその時にいろんなジャンルとかを知ったのかなぁ。

──ヘンテコ具合にもいろいろあると思いますが、引き寄せられるタイプがあるんでしょうか。
初めて見てうわぁぁあってなっても引き寄せられないタイプもあるんですか?ヴィジュアルかな。

淳:  あぁ、でもそうかも知れない。

──見向きもしなかった初めて見たタイプの人とかモノとかあるんですか?

淳:  あぁ、そういのは多分ぜんっぜん覚えてないわ。忘れてる。

──(笑)そらそうですね、そんなんいちいち覚えてたらうっとうしいてしゃぁないですよね…

淳:  (笑)生きていかれへん。

──バンドもしてはったんですよね。

淳:  はい。してました。

──ボーカルですよね。どんな格好で歌ってはったんですか?

淳:  その時は全然普通でキテレツな感じはないです。普段の延長ってくらいで。でもそれではあんまりかなってことでライブの時にたくさんお花を客席に投げたりとかしましたね。

──それは淳さんのアイディアなんですか?

淳:  それもなんかのライブ映像で見たんです。お花をバンバン投げてハッピーな雰囲気があったから素敵だなーと思って。

──なんの花だったんですか?

淳:  黄色い水仙!でした。

──素敵ですね。盛り上がりましたか?

淳:  最初は緊張してあんまり覚えてないんですけどみんなが受けとってくれて、そのままずっと持ったまま見ててくれてたのがやっぱりハッピーな感じになってて嬉しかったです。

──じゃぁ、いろいろ面白い人たちのライブとかみて、あんなんやってみたいとかアイディアを練ってたんですか?

淳:  やっぱり常に表現することには興味があったと思うし、そういう視点でみてたと思うけど私は自分からみんなに声かけてバンドやろう!って人を集めるタイプじゃないと思うんです。でもなんとなくやってみたいなーとは思ってて…で、たまたま同じ学校の人たちにやってみない?って言われて「やってみたい!」ってなったんです。しばらく続けてメンバーが枝分かれしていって、私は2人でユニットでするようになって、打ち込みみたいな音に私の歌とかのせたりして…。そんな感じで3つくらいやったかな。

──人前で歌うのってどんな気分なんだろうなぁ…

淳:  出てしまったらいつも大丈夫だったんですけど、始める前はいつも胃とかお腹とか痛くなってキューって緊張してたから、あんまり好きじゃなかったのかもしれない。みんなで音とか一緒に作っていく過程の方が好きなのかな。

──オリジナルで作ってはったんですね。

淳:  そうですね、カバーもあったけど、後半はトラックが作ってあって私が歌詞書いたりしてました。

──歌詞を書いて歌ったりするの憧れます。

淳:  (笑)一緒にバンドします?

──取り合いじゃないですか、ボーカル。
(そだ)「私が歌詞書く!」 (淳)「いやー、ここは私が書く」」
(そだ)「私が歌う!」(淳)「私の方がいい!」
(そだ)「私がお花投げる!」(淳)「私が買ってきたから私が投げる!」
ってなりますよ。きっと…

淳:  うふふふふ

──いやぁ、素敵です。

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2015-11-24

古河暁さん 〔6〕「ゴーゴー アキラフルカワ!」

──いろいろ伺ってきて、新しいこと見たことのないもの・服というとすぐに奇をてらったようなもの(?)を思い浮かべていた私は安直でした…   もっといろんなアプローチがあるってことですね。

古河:   人が着なければ何でもできると思いますけどね。袖なら袖で、襟なら襟で何か面白いことできるかな、と。僕の好きなものをわかってほしいとかそういう思いもありますけど、着る人が自分で選べる喜びとか大切さは持っていて欲しいと思ってます。着る以外の何かも感じてもらえたらなーと。でも不思議なんですけど、日本の人口のまぁ半分くらいは女性だとして、女性ってだけで、みんな同じような考え方になるんですかね?

──え?  何?  それは服のこと?

古河:   服に限らずいろんなことですけど、服なら買う人が自分で選んでこれいいなって思って買ってるのか、流行ってるからっていうので買ってるのかとか…

──服に対する考え方もそれぞれ違うでしょうしねぇ。流行っているものがトニカクスキ!な人もいるでしょうし。古河さんの服を着る人は自分で選んで買って欲しいな、と思っているわけですね。

古河:   そうですね。

──古河さんからこういう人に着て欲しいというのはあるんですか?

古河:   それはないと思いますね。

──サイズも展示会の時にサンプルからその人に合わせて調整したりされてますよね。サイズ展開がないんですか?

古河:   ないですね、そんな何千枚も作るわけではないし、サイズ展開よりもその人に合わせた方がいいかなと思って。着たい服が自分にピッタリだと僕も嬉しいですからね。

──では、次回は刺繍ですね。

古河:   はい。刺繍とファスナーですね。

──あ、そっか。刺繍とファスナー!   いいですね。

古河:   そこにまだあんまりストーリーはないんですけどね。

──ファスナーを開けたらそこにお花のししゅうが、とか。

古河:  ………いいですね。

──すみません。野暮でしたね。

古河:  (笑)

──着る人のことをまず第一に考える古河さんのお話、とても勉強になりました。ありがとうございました。

古河:   なんかあまり言葉がなくて…   すみません。

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(古河暁さん  イソタビュー  了)