2016-03-29

和泉淳さん〔1〕「E(エラい).T(つぶらな瞳). のこと」

和泉 淳
Soma/soma gallery/bitSOMA勤務
ホール業務、グリーンを育てたり、企画などしてます。絵や布で製作もしてます。

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ミミヤマミシンからほど近いところにある、Soma(ソーマ)の淳さん。たまに一緒に呑んだりして面白い話を聞いても私はいつも最後の方の記憶がありません…
今までの話の断片を辿りつつイソタビューさせてもらいました。

text_Tomoko Soda


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──淳さんはE.T.がお好きだそうですが、最初の出会いは映画ですか?

:   そうです。

──映画館で観られたんですか?

:   はい、そうです。

──おいくつくらいの時ですか?

:   中学生くらいかなぁ…

──宣伝みて行きたいと思われたんですか?

:   そうです。前売り券買ったら缶バッジがもらえて、それはずっと持ってましたね。つい最近まで持ってて、こないだ姪っ子あげましたけど(笑)

──あぁ、次の世代に…喜んではりましたか?

:   とりあえず喜んでました(笑)

──E.T.知ってるんですね。

:   知ってます。知ってます。私の家にいっぱいあるので。

──いっぱいあるんですか!ぬいぐるみとか?

:    いろいろあります。陶器もあるし、マグカップとか貯金箱とか…フワフワのも光るのもありますよー。

──E.T.グッズって今でも作られてるんですね。

:   USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に前はアトラクションがあってたくさん売ってたんですけど、今はなくてそれからは新しいのは売ってないみたいですね。

──映画を観てからグッズを集めるようになったんですか?

:   グッズを集めるようになったのはだいぶ後かな。その当時はあまり買ってもらえなかったように思います。集めるキッカケになったのは四天王寺さん(註: 毎月21・22日に大阪の四天王寺で開催される骨董市)でどうみても怪しい感じの指に挟むタイプのE.T.が売ってて「わー!E.T.やー!」ってなって3つ4つあるの全部買うってゆったらお店の人にも、一緒に行った友達にも「そんなにいらんのんちゃう?」ってゆわれて…(笑)でもそれが一番のお気に入りですね。

──E.T.以外で集めてるキャラクターとかあるんですか?

:   それはないですねぇ

──じゃあE.T.の映画を観て大好きになって…

:   大好き!何もかも!本当に未知の生物に思えたし、最初はやっぱりあんまりかわいいとは思えなかったんですけど映画を観て「こんなに不思議な奴がかわいい」と心底思えるのってすごいなぁって夢中になりましたね。

──そういう未知のものをかわいいって思ったことが新鮮だったんでしょうか。

:   あぁ、でもそうかなぁ。最初にCMで見たときは「わ、気持ち悪い!」って思ったくらいだったのに映画を観たらコロっと変わっちゃった。

──何回か映画は観られたんですか?

:   何回も同じ映画を観るのはあまり好きじゃないので、偶然出会ったら観ますね。テレビとかリバイバル上映とか…わざわざ借りたりはしないです。

──じゃあ中学生のときに観た印象が強くてその後E.T.グッズを集めだしたって感じですね?

:   大人になってから映画はもう一度観ましたけどやっぱりすき!ってなってそれからかなー。

──大人になってからもう一度出会ってグッときたわけですね。

:   そうです!出会ってやっぱりかわいい!ってなって…その頃にはいろんなアンティーク屋さんとかアメリカの古いオモチャとか売ってるお店でよく見かけましたね。

──ドラえもんみたいな感じですね?

:    …!?

──あ、ごめんなさい!今、ムッとされましたね…「ドラえもんですって!E.T.って言ってるじゃないの!」って顔でした。言い換える必要なかったです。失礼しました。

:    (笑)

──私はE.T.グッズ、街で見かけたことないです。やっぱりお好きだということでありそうなとこ探されてるんですね。

:    まぁ、出会いですね!(力強く)「あぁ、今出会ってしまった…」ってときもあります。「お財布に今これだけしかないのに」とか。(笑)

──そんなときは?

:   買える分だけでもとりあえず買います!

──持ってはるのはどんなのが多いんですか?

:   うーん、ぬいぐるみかな…フワフワしてるのとか、首が伸びるのとか、パーカー着てるのとか。

──へぇー、へぇー

:   あとはマグカップもあるし。持ち手のところがE.T.になってて、E.T.を持ち上げてこう…(カップで飲む動作をする)

──はぁー

:   でもそれはE.T.がとれてしまってて…

──あれ。

:   売ってるときからとれてたの。

──あー、とれて売ってた…

:   そう。なのでペン立てにしています。

──前向きー(笑)

:   あとはもうちっちゃーいのとかシャーペンとかキーホルダーとかストラップとか…周りのE.T.好きを知ってる人たちが買ってきてくれるんです。

──集まってくるんですね。

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和泉淳さん〔2〕「ジュンサン ミーツ ザ ミュージック」

──最初にE.T.のことをうかがったのは、淳さんのアンテナは一体どこら辺にはりめぐらされているのかを聞いてみたかったからでして…

淳:  アンテナですか?

──はい。淳さんはどんなものを面白いとかかわいいとかカッコいいと思うのかな、と。とても幅広い気がするので。

淳:  好きなものの基準は…かわいいものももちろん好きですけど、それだけではやっぱりなくて、ビックリするようなもの、音楽は特にそうかも。何かわからないものは気になるし魅力を感じます。パッとみて「何やろ、これ…」ってものには反応してることが多いかな。

──音楽の場合、それはジャンルとかではなくて…

淳:  そうそう。だからレコード屋さん行って探すときが大変。コレは一体どういうジャンルで探せばいいんだろう…ってのが多いです。どうなったらこんな音楽にたどりつくんだろうっていうのに惹かれますね。

──それはライブとかで出会うんですか?

淳:  今は希洋志くん(註: 旦那さんの和泉希洋志氏)がかけてるのとか聴いてて「これ何!?」ていうのとか。以前はもっとマメにレコード屋さん行ったりして試聴してましたけどね。

──音楽はずっとお好きなんですか?小さいときはどんなの聴いておられたんでしょうか?

淳:  子供の頃イギリスに住んでいて、TVで “Top of the pops” っていうベストテンみたいな番組をずっと見てて、1位になってる曲のドーナツ盤をいつも買いに行ったりはしてました。その頃に今でゆうプロモーションビデオみたいな映像も見てて、なんか見たことない化粧した男の人が歌ったり踊ったりとか、シド・ヴィシャスとかも「なーにーこーれー!」ってうわぁぁあってなって、何かわからんけど引き寄せられるっていうか…なので音楽はその時にいろんなジャンルとかを知ったのかなぁ。

──ヘンテコ具合にもいろいろあると思いますが、引き寄せられるタイプがあるんでしょうか。
初めて見てうわぁぁあってなっても引き寄せられないタイプもあるんですか?ヴィジュアルかな。

淳:  あぁ、でもそうかも知れない。

──見向きもしなかった初めて見たタイプの人とかモノとかあるんですか?

淳:  あぁ、そういのは多分ぜんっぜん覚えてないわ。忘れてる。

──(笑)そらそうですね、そんなんいちいち覚えてたらうっとうしいてしゃぁないですよね…

淳:  (笑)生きていかれへん。

──バンドもしてはったんですよね。

淳:  はい。してました。

──ボーカルですよね。どんな格好で歌ってはったんですか?

淳:  その時は全然普通でキテレツな感じはないです。普段の延長ってくらいで。でもそれではあんまりかなってことでライブの時にたくさんお花を客席に投げたりとかしましたね。

──それは淳さんのアイディアなんですか?

淳:  それもなんかのライブ映像で見たんです。お花をバンバン投げてハッピーな雰囲気があったから素敵だなーと思って。

──なんの花だったんですか?

淳:  黄色い水仙!でした。

──素敵ですね。盛り上がりましたか?

淳:  最初は緊張してあんまり覚えてないんですけどみんなが受けとってくれて、そのままずっと持ったまま見ててくれてたのがやっぱりハッピーな感じになってて嬉しかったです。

──じゃぁ、いろいろ面白い人たちのライブとかみて、あんなんやってみたいとかアイディアを練ってたんですか?

淳:  やっぱり常に表現することには興味があったと思うし、そういう視点でみてたと思うけど私は自分からみんなに声かけてバンドやろう!って人を集めるタイプじゃないと思うんです。でもなんとなくやってみたいなーとは思ってて…で、たまたま同じ学校の人たちにやってみない?って言われて「やってみたい!」ってなったんです。しばらく続けてメンバーが枝分かれしていって、私は2人でユニットでするようになって、打ち込みみたいな音に私の歌とかのせたりして…。そんな感じで3つくらいやったかな。

──人前で歌うのってどんな気分なんだろうなぁ…

淳:  出てしまったらいつも大丈夫だったんですけど、始める前はいつも胃とかお腹とか痛くなってキューって緊張してたから、あんまり好きじゃなかったのかもしれない。みんなで音とか一緒に作っていく過程の方が好きなのかな。

──オリジナルで作ってはったんですね。

淳:  そうですね、カバーもあったけど、後半はトラックが作ってあって私が歌詞書いたりしてました。

──歌詞を書いて歌ったりするの憧れます。

淳:  (笑)一緒にバンドします?

──取り合いじゃないですか、ボーカル。
(そだ)「私が歌詞書く!」 (淳)「いやー、ここは私が書く」」
(そだ)「私が歌う!」(淳)「私の方がいい!」
(そだ)「私がお花投げる!」(淳)「私が買ってきたから私が投げる!」
ってなりますよ。きっと…

淳:  うふふふふ

──いやぁ、素敵です。

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